INTERVIEW

インタビュー

セーフィー株式会社 中島早香さん「“自分が今一番大事にしているもの”を実現できる会社を見極める」

はじめに

今回はセーフィー株式会社中島早香さんにお話を伺いました。監査法人に10年務められた後にスタートアップの世界に足を踏み入れ、現在はクラウド録画サービスを提供するセーフィー株式会社にて常勤監査役としてIPOに向けた準備を進めていらっしゃいます。

大手監査法人、上場会社で活躍されてきた中島さんが次の参画先としてセーフィーを選ばれた理由やその魅力、現在監査法人から転職を考えている方へのアドバイスなど、充実の内容をお届けします。

セーフィー株式会社 中島早香さん

【略歴】
セーフィー株式会社 常勤監査役 中島早香さん
早稲田大学商学部卒業後、有限責任あずさ監査法人に入所。公認会計士として約10年間勤務する中で二度の出産を経験。その後、マザーズ上場企業の取締役常勤監査等委員長を2年間務め、ママテラス経由にて2020年1月よりセーフィー株式会社の常勤監査役。

【セーフィー株式会社概要】
VISION:「映像から未来をつくる」
事業分野:IoT
事業内容:クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」の開発・運営および関連サービスの提供
設立:2014年10月23日
従業員数:211名(取締役含む/2021年8月現在)
企業URL:https://safie.co.jp/

高い専門性で勝負できる公認会計士を目指す

‐まずは、セーフィー入社前のお話から教えて下さい。中島さんのキャリアには公認会計士という大きな軸があると思うのですが、そもそも会計士を目指そうとお決めになったのはいつ頃だったのでしょうか。

意識をし始めたのは、進学先の大学を考えるタイミングで「私は何になりたいのか」と考え始めた頃だと思います。私の両親は共働きで、母は看護師でした。母はよく「子育ての大変さは仕事でリフレッシュされ、仕事の悩みは子供の笑顔で癒やされたよ」と話してくれました。その影響でしょうか、私自身も専業主婦になるイメージよりは、仕事と子育ての両立から得る楽しさや充実感を大切にする価値観が自然と育まれてきました。

自分の将来を決めると言っても、高校生の情報収集能力には限界がありますので、結局親や身近な人の職業に影響を受けることが多いかと思います。私の場合は、父の知り合いに会計士の方がいて、「会計士は専門的な知識経験を磨けば、いろんな業界の中で自分を生かして仕事ができる可能性の拡がる職業だ」という話を聞き、はじめて知るその資格に興味を持ちました。

また、幼少期から「夏は海、冬はスキー」と休みの度に遠出をすることが好きな家族だったので、「いわゆるオフィスワーク漬けよりも、出張で全国を飛び回り色々なクライアントと仕事をするスタイルの方が、フットワークの軽い私に合っているのではないか」と思い、公認会計士試験にトライしてみたのです。

‐そうすると、高校生で会計士を目指すことを決めて、それに向けて進学先の大学も決められたのですね?

はい、この資格なら商学部だと考えて進学先を選びました。

監査法人では新人時代に大きな新制度導入を経験

‐大学卒業後、見事公認会計士試験に合格し、あずさ監査法人に入社されて10年ほど在籍されたのですね。

入社2年目に、内部統制監査「J-SOX」と「四半期レビュー制度」という大きな2つの新制度が導入されました。監査法人もどんどん人を採用して新制度対応を進めている時期だったので、新人時代から猛烈に働いていた記憶があります。

細かくお話しすると、例えば従来は中間監査と期末監査という2回しかなかった監査が、四半期レビュー制度の導入によりクライアントの報告書をチェックするタイミングは倍の4回に増えました。また、J-SOXではクライアントの財務報告に関連する内部統制の整備を可視化して、その運用・チェックまでみなくてはなりません。
そういう大きな制度改革の時期でしたから、入社2年目でも時には1人出張をしつつクライアント子会社を全国行脚し、内部監査担当の方と現地の状況を教えてもらいながら実質一緒に作り込むといった作業をしていました。

この経験を通じてクライアントとのコミュニケーションの取り方や信頼関係を構築する大切さなどを学びました。また、監査法人ではクライアント毎に監査メンバーも変わります。クライアントの規模・監査期間・メンバーのリソース等の監査環境に応じて、働くメンバーも全く異なるし自分の立場や作業内容も異なります。メンバー各人が「今回のチームで求められる自分の役割とは?」を都度把握してそれを全うしつつ、チームビルディングする過程を何度も繰り返した結果、チーム力を磨く経験もできました。

「プロフェッショナルにはママも何も関係ない」という現実を知る

‐在籍中には2回の出産も経験されました。

育休後職場復帰した環境は第1子と第2子では全く異なりました。
第1子の育休後復帰時は、採用過多により監査法人が人員削減を進めていた時期で買い手市場でしたので、復帰直後から現場主査として責任ある立場も受け持つことになり「プロフェッショナルにはママも何も関係ない」のだと身が引き締まる思いをしたのを覚えています。

初めての育児と仕事との両立の中で責任ある立場を任されるのは当初とてもプレッシャーでしたが、監査チームもクライアントも優しく、現場は和やかな雰囲気で人には恵まれていました。そのおかげで、繁忙期である期末決算の監査は第2子妊娠中でしたが、チーム一体となり決算日程通り業務を進め、無事に責任を全うすることができました。

第2子の育休から復帰した頃は、氷河期で人を減らしていた状況から一転して人材不足で売り手市場となっていたこともあり、私が「以前のようながむしゃらな働き方は難しい」という相談をしたところ、大きな監査チームに配置転換してもらいました。
あちこちのクライアントを往査する働き方から1か所で安定的に業務を回せる環境になり、とてもありがたかったです。上の子供が小学生になる手前くらいまではそのような形で働かせていただきました。

インタビューは2021年8月にオープンしたばかりのセーフィー本社内ショールームにて行った

子供の小学校入学のタイミングで転職を決意

‐転職を検討し始めたのはこのあたりの時期ですか?何かきっかけがあったのでしょうか。

そうですね。大きくは2つの理由があります。1つ目は、「外の世界を見てみたい」という好奇心や興味が湧いたことです。監査法人の仕事は多種多様な業界を会計や監査の側面から広く浅く知ることができますが、1つの業界に焦点を当ててその実態について狭く深く知りたいという興味が湧いてきました。また、どのクライアントの方々も自社商品・サービスにかける情熱をもっていて、自分も同じような情熱を持って仕事をしたいと感じるようになったのです。

もう1つは、「子供との時間を確保できる環境を最優先したい」というライフスタイルの優先度が変わったことでした。これまでも、理解ある会社のお陰で安定的な部署に配置転換していただいた上に時短制度まで使わせてもらっていたのですが、逆にそれで肩身の狭い思いもしてしまっていたのも長年の悩みでした。また、当時基本的にリモートワークはまだ全社導入されていなかった原則週5出社の時代でしたので、この仕事を続けることで子供を学童保育に遅くまで預けるのは自分自身の教育方針に合わないなと感じました。
そんな理由があり、少しずつ転職に気持ちが動き始めました。

‐転職先はどのように見付けられたのでしょうか?

そこから1~2年ほど遡りますが、第2子の育休中に、後に私が転職するスタートアップのCFOの方とお話しする機会がありました。その方も監査法人出身で、スタートアップに転職してCFOとしてマザーズ上場の経験もしている方だったのですが、「常勤監査役をやりませんか?」というお誘いをいただいたのです。育休後は元の職場に戻るつもりだったので一旦お断りしたのですが、2年後に再度お声掛けいただいたときには「良いタイミングかもしれない」と感じ、「ぜひやってみたい」とお返事しました。

子育ての時間と仕事へのやりがいの双方を得る

‐転職先の環境はいかがでしたか?

スタートアップ企業に転職し、やはりそれまでとは環境がガラリと変わりました。オフィスはおしゃれで服装は自由ですし、勤務時間もフレックス。そんなリラックスした雰囲気の中で皆さん集中して仕事をしていて、そのすべてに衝撃を受けました。

私自身は取締役監査等委員長という役職で、勤務は平均で週3.5日程度。時間的にもかなり融通が利くようになりました。子ども達を学童に預けるのは週の半分となり、残りの半分は友達と早い時間に下校できるようになったので、その辺りもとても良いバランスが取れるようになりました。

その一方で、「自分の仕事を全うする、会社の役に立つ」という気持ちを常に持ち、リモート勤務も併せながら繁忙期はフルコミットしました。また、緊急時には対策委員会を自らハンドリングしたり、内部通報窓口ないし社内のちょっとした相談役として役職員の声に耳を傾けて社内の体制がより健全になることをいつも心がけていました。

この転職で得たものは、単純に時間に融通が利くというだけでなく、自分の役職は自分だけでありこの責任を全うできることで肩身の狭い思いはなくなりましたし、何よりも仕事に対するやりがいを強く感じるようになりました。

‐こちらの会社には何年在職されたのですか?

元々2年という任期でお引き受けしていました。1年目は業務と事業に慣れるのに精一杯でしたが、2年目は自分なりに監査計画などもカスタマイズして、優秀な仲間たちと楽しみがなら課題に向き合い乗り切ることができました。

ありがたいことに「次の任期も」というお話もいただいたのですが、私の中で「また新たな学びが欲しい」という気持ちの方が強くなっていたので、新しい仕事のお話を聞いてみることにしました。

IPO経験ができるスタートアップを求め、ママテラスに登録

「新たな学び」として興味を持ったのはIPO準備のフェーズです。
当時私がいたのは上場後間もない会社で、株式市場という荒波の中で会社を運営することで様々な経験値が溜まっていくという実感がありました。ただ、私は上場に必要十分な規程がそろい運用体制が構築されたところにポンと入らせていただいたので、そこに至るまでの苦労は知りません。

IPOまでの工程に関わり、監査役として証券会社と東証から上場審査を受けてお墨付きを得るまでの一連の業務を経験することは、今市場から求められている監査役としての業務品質を一定水準で満たせているという自信にもつながるでしょうし、やりがいのある学びだと考えました。

‐ママテラスにご登録いただいたのは、どんなタイミングだったのでしょうか。

任期の2年目に入った頃です。会社が後任選びに要する期間を逆算すると、最低でも半年前には辞めるかどうかの判断をしなければいけないと考え、検討する期間も踏まえてその時期になりました。当時は「絶対に辞める」というよりは「本当に良い会社との出会いがあれば」と気軽に登録した覚えがあります。

ママテラスからは5社ご提案いただきました。提案の際にはそれぞれの強みやフェーズ等の細かな分析も提示いただいたので、その中から3社に応募させていただくことにしました。でも、1社目のセーフィーが気に入りすぎて、結局3社目は面接も受けずに終了しました。

「この人たちを応援したい、一緒に働きたい」直感でセーフィー入社を決意

‐セーフィー社に入社される決め手は何だったのでしょうか?

まず非常に好感を持ったのは、社長をはじめとした4名の役員全員に通じる「社会を良くしたい」という信念や職務に対する真摯な姿勢でした。また、皆さん私とほぼ同世代でご家族もいるのですが、家庭を大切にしつつも事業にも真っ直ぐ誠実に向き合う姿に、「この人たちを応援したい、一緒に仕事をしたい」と感じました。

監査役の業務を全うするためには、話し合う相手を選り好みするわけには行きません。経営陣と真っ向からぶつかりお互いを受け止め合い、建設的な意見を交わして事業にとって最良の意思決定をできるような良好な関係性を築く必要があります。
私は自分が入社したときのことをイメージし、全体的な直感として「ここの会社ならそれができる」と考えられるかどうかが会社選びの重要なポイントだと思っており、セーフィーは様々な面で自分にフィットしていると感じたことが入社の決め手となりました。

もう1点、他の企業と異なっていたのは、セーフィーが常勤監査役としての仕事だけを求めてくださった点です。IPOの準備が近付いている会社なら、監査役はあれこれやらず監査役業務に集中できた方がガバナンスの観点からも良いはずなので、そのあたりの認識がしっかりしていると言う意味でも真っ当な会社だと感じましたし、監査役業務に特化できることに安心しました。

クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」

面談時にしっかり情報収集したことで、入社後のギャップはなかった

‐セーフィー入社にあたり、迷いや不安はありませんでしたか?

ほとんどありませんでした。私自身が非常に慎重派なこともあり、事前に確認項目を準備した上で色々な部門の方と会わせていただき、入社後の仕事のイメージをしっかり固めた上で入社を決めているので、面談の段階であらかじめ不安を潰していたというのが正確かもしれません。

例えば上場への準備体制については、監査役と一緒に仕事をする機会の多い管理部系のメンバーに会計・経理方面の知識や上場経験などを詳しく伺い、経験豊富な頼りがいのあるメンバーが揃っていることが分かりました。また、連携が必要になるであろう内部監査についても、既に業務委託を利用して監査体制を整えていると教えていただきました。そのような感じで、気になることは入社前にかなりしっかり確認していました。

‐入社されて1年半ほど経ちましたが、入ってからのギャップや「こんなはずではなかった」というようなことはありますか?

転職が2回目だったこともあり、先にお話ししたように自分自身である程度ギャップを減らす努力を事前にしていたので「こんなはずではなかった」というようなことはそれほどありませんでした。もちろん転職をすれば当初想定したものと異なることはゼロではありませんが、それは期待と現実のギャップと言うよりは転職前後の会社のカルチャーそのものが違う、という程度のものだったかと思います。

新型コロナによる緊急事態宣言で、入社3日目からリモート勤務に

‐働き方や職場環境はいかがでしたか?

業務スタート時に多少手こずりました。新型コロナによる緊急事態宣言を受けて、研修は2日目で中断、翌週から出勤不可となってしまったため、まだほとんどの方とお話しできていない状態でPCだけ渡され、そこから2ヶ月間リモート勤務が続いたのです。

手こずった一例を挙げると、経営会議にオンライン参加した際、参加者の名前も部門も担当業務も分からない中で専門用語がならび、会話が頭に入らない中でどのように状況確認をすればよいか、その時は慌てましたね。ただ、入社直後の出社期間に対面でお話しできたCFOや法務・経理の担当者の方がリモート期間中も助けて下さったので、この2ヶ月間は事業内容等をじっくりと理解する時間に充てることができました。

そこからさらに1年が経過しましたが、その間に事業も組織もかなり拡大しました。今年からは社員教育に掛ける時間も増えており、会社としての安定感など成長を実感すると同時に皆さんの努力が着実に形になってきている喜びを感じています。

上場前と上場後の企業で感じる違い

‐入社のタイミングが前職は上場後の会社で今回は上場前の会社ですが、大きな違いを感じることはありますか?

上場企業であれば細心の注意を払わなければならない事項、例えば情報開示の内容やタイミングなどがありますが、上場会社においては「リリース情報が出るまでは絶対に社外へ漏れてはいけない。エレベーターやお店では話題に出さない、データを社外に持ち出さない」などは大前提として全社員が体感として危機感を持っており徹底されていましたが、IPO準備段階では社員の理解の程度にばらつきがあるのかもしれないと感じました。

当社は対策としてインサイダー研修等を定期的に実施できておりますが、今後も継続開催することで、上場企業として持つべき意識をしつこく周知していく重要性を感じています。私自身、上場会社に身を置いてはじめて、自分の事業が常に変化し続ける中で会社のあらゆる情報が常に株主や世の中に晒されており、それら全てに注意を払わなければいけないというプレッシャーを体感できました。当時の経験や危機感がいまの会社で生かせることに感謝しています。

監査役の転職ステップは「上場前」→「上場後」が王道

‐監査役の転職のステップとしては、上場前と上場済のどちらの会社を先に経験するのが良いと思われますか?

まわりの方の話をきくと、先に上場前の企業を経験するのが比較的多い印象です。監査役としてゼロからIPOの準備に関わって一緒に構築していくというのは、監査法人の次のセカンドキャリアで割と聞く話ですし、勉強になることも多いのではないでしょうか。

IPO準備は証券会社の審査、次に東証の審査と何段階もの審査のステップを踏んでようやく上場できるのでハードルが高いと感じるかもしれませんが、実はIPOの準備期間には証券会社の引受部という強力な助っ人がいます。彼らは大手上場企業からみるとまだまだひよっこの会社をサポートする経験に長けていますので、規程作成や組織整備など細かなところまでアドバイスしながら上場まで伴走してくださります。

極端な言い方ですが、一方で、上場した途端にこの伴走者はいなくなります。私はこの伴走者を自転車の補助輪に例えるのですが、株式市場という荒波の中で絶え間なく起こる問題に対してある日から監査役として対処していくというのは、いきなり補助輪のない自転車で走れと言われているようなものだと思っています。

それよりは、初めにIPO準備会社で補助輪が付いた状態で上場に向けた一通りのステップを監査役としても経験し、一定水準のスキルや経験値を蓄積する方が段階を踏んで進めるのかなと思います。

オープンスペースで会う社員の方々と和やかに話されていた中島さんが印象的でした

リファラル採用と紹介会社経由のメリット・デメリット

‐中島さんは初回転職ではお知り合いからの紹介から、そして、今回の転職ではママテラスサイト経由で、という2つの転職方法をご経験されています。それぞれの良し悪しについてお聞かせいただけますか?

リファラル採用は、私もよく「監査役を探しているのですが良い人いませんか?」と声を掛けられることはあるので会計士の転職では多いパターンだと思います。自分が信頼している会社と信頼している人を繋げるわけですから、確実性も高くお勧めだとは思います。その両者が本当に合うかどうかはまた別問題ですが、入口としてお互いに心理的な安心感があるというメリットは大きいのではないでしょうか。

一方で、仲介役がいないので、会社の社長やCFOなどに「初めまして」とメールを送るところから面談の日程調整、最終的に「残念ですが」という結論まで本人が一人で引き受けなくてはならないというのは結構な負担ですしデメリットかもしれません。

ママテラスのような転職サイトの最大のメリットはサポート力だと思います。応募前には業界分析やそれぞれの会社の良さなど様々な情報を取り揃えて下さいますし、面談の段取り等で困ったときには適時サポートしていただけます。例えば面接後になかなか連絡がなかった場合でも、事務局に相談すれば「応募者があと2名いるので、面談を終えてからジャッジしたいらしい」等の情報を得られて安心感がありました。

転職先は「自分が今一番大事にしているもの」を実現できる会社を選ぶ

‐最後の質問になりますが、現在監査法人で転職を考えていらっしゃる方に是非アドバイスをいただけますでしょうか。

私は仕事を選ぶときに、業種や役職から入るのではなく「自分が今一番大事にしているのは何なのか?その一番大事にしているものはどんな環境であれば実現できるのか?」というところをまず考えることにしています。
監査法人でも監査役でもそれ以外のどんな業種でも、それぞれが大変な責任を持ってやり甲斐のある仕事をしていますから、逆にそれらの条件を比較して仕事を選ぶことは難しいのではないかと感じています。

私の例をお話ししますと、私は子ども達のそばで育児をしながら仕事を継続したいというのが一番の希望でした。監査法人では時短とは言え週5出社でしたし、時短勤務制度を利用できるのも一定期間でしたので、子ども達との時間を確保できないのが最大のネックとなっていました。転職を決意したのは監査法人が嫌だったからではなく、希望する勤務環境を他で見つけられれば最大のネックを解消できると考えたからです。

それから、「今の仕事が嫌だから」という理由で動くと次の場所でもまた嫌なものが目に付いてしまう気がするので、自分自身がわくわくする何か興味が持てる職場を選ぶことをお勧めします。それは「今まで知らなかった知識が得られるのが楽しみ」でも「一緒に仕事できる面白い人がたくさんいそう」でも「(スーツではなく)好きな格好で仕事ができそう」でもささいな事で良いと思います。自分が納得する環境を選んだからこそ、「会社に役立ちたい、最後まで責任を全うする」という覚悟を持てるのだと思います。

もちろん、色々検討した結果監査法人に残るという判断もありでしょう。人生のフェーズが変わった時にまた新たな仕事に興味が湧いて来れば、その時一番大事にしていることをしっかり見極めた上で改めて最良の選択をしていけば良いのではないでしょうか。

‐大変共感を覚えました。本日は貴重なお話をたくさんお聞かせいただき、本当にありがとうございました。

以上

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