INTERVIEW

インタビュー

株式会社LiLz 浅井貴子さん「キャリアと子育てを両立させる働き方」

はじめに

LiLz社は沖縄発のスタートアップ企業です。今回はLiLzにセールスアシスタントポジションで転職された浅井貴子氏にお話を伺いました。
浅井氏は新卒で入社した企業に17年間従事後、初めての転職でスタートアップへ転職されました。
それまでの経緯や実際にスタートアップで就業される中でお感じになったことをお聞きいたしました。

株式会社LiLz 浅井貴子さん

【略歴】
株式会社LiLz 浅井貴子氏
大学を卒業後、大手人材紹介会社にて大手製造業向けの法人営業及び、キャリアコンサルティング業務に17年従事。2023年LiLz社セールスアシスタントとして入社

【株式会社LiLz概要】
株式会社LiLz
企業URL https://lilz.jp/
設立 2017年7月
従業員数 12人
MISSION :機械学習とIoTの技術融合で、現場の仕事をラクにする
事業分野
設備保全現場の点検課題を解決するサービス「LiLz Gauge」等、AIとIoTテクノロジーを活用したサービスを提供中。ソフトウェア・ハードウェア、研究・ビジネスに境界を作らず、サービス検討を支援しています。

スタートアップ転職を考えるようになったきっかけ

-今回のスタートアップ転職を考えるようになったきっかけについて教えてください。
(スタートアップへの関心が先か?転職を考えたのが先か?)


浅井氏:私の場合はスタートアップへの関心が先ではなく転職を考えたのが先でした。というのも、新卒に入社した会社で17年程度勤めていましたが、2人目の育休明けぐらいから、子育てをしながら働くという意味では、ちょっと限界だなと感じはじめていました。
育休明け以降、フルタイムで働いており、9時半~17時半、プラス、夜にも対応するというという形が日常でした。人材エージェントという仕事なので、夜のインタビューや電話などは日常という感じでした。

-確かに幼児のお子さんがいる生活でその働き方は厳しいですね。すぐ転職を決意したのですか?

浅井氏:そうですね、仕事は楽しかったし嫌いじゃなかったのでずっと続けていきたかったのですが、転職を本格的に考えるきっかけはコロナが大きかったです。

コロナ前は、自分の両親が近くに住んでいるため、保育園送迎等実家のフォローがあったのですが、コロナ以降は高齢の両親にも頻繁に頼めなくなっていったこと、コロナ終息後は、前職が出社ベースが多くなってきたこともあり、直近1年は夫婦2人で回しながらギリギリなところでやってきたものの、今後先の20年、60歳先まで働いていたいと思った時に、この働き方では早々に限界だなと思ったのが本格的に転職を考えるきっかけとなりました。

-前職はまさに人材紹介会社だったので転職活動方法は良くご存知だと思いますが、実際、転職活動をどのように始めたのですか?

浅井氏:そういう仕事をしていましたが、エージェントには結局登録はせずに、自分でいろんな求人サイトを見たり、求人会社のホームページを見るなど、なんとなく見ていたくらいですね。

他求人媒体でもアシスタント職や派遣求人も多少見たことはありましたが、それだと自分がやりたいかとかって考えた時に違うなと感じており、希望は前職同様しっかり責任のある仕事は続けていきたいと思っていました。

ただ正社員求人で就業時間を短くしたいという要望は、なかなか世の中に出てくる求人にはなく、自分に合う求人は存在しないだろうなとずっと思っていました。

そんな中で、インスタグラムの広告でママテラスの「柔軟な働き方」「コアメンバーとして働く」という文言をみて、ちょっと見てみようかなという軽い気持ちでママテラスに登録しました。

-ちょうどママテラスに浅井さんが求めている求人があるかもしれないと思われたのですね。

浅井氏:はい。エージェントにそういうお願いをする企業はないだろうなと思っていたところでのママテラスの広告だったので目を引きました。
ママテラス経由でLiLz入れて3社くらいスタートアップ企業とお話し、スタートアップで働くという選択肢が出てきたという感じです。

スタートアップ企業の選考 ~当初抱いていたスタートアップの印象・カジュアル面談で確認していたこととは?~

-当初スタートアップにどんな印象をもっていましたか?

浅井氏:スタートアップに関しては、正直なイメージは忙しそうとか大変そうとか、労働環境は良くないだろうなという印象がありました。また成果主義で、待ちの姿勢の人だと無理で、自ら考え行動できるみたいな人じゃないとやっていけないんだろうなという印象はありました。

-そういった不安(?)な部分をカジュアル面談で確認されていたのですか?

浅井氏:カジュアル面談で確認していたところは、その事業の強み(その会社の強みがどこなのか、なんで伸びてるのかみたいなところ)、カルチャーとしてどんな方々なのか(どんなことを大事にして働いている方達なのかな)というところでした。
また自分が今まで経験してきたことを活かせるのか、自分はそこで成果を出せるのか、という視点で面談に臨んでいました。また、労働環境や成果主義について、私自身がスタートアップに対して持っていた印象を、どの程度なのか感覚で捉えることも目的の一つでした。

-LiLz社のカジュアル面談はいかがでしたか?

浅井氏 カジュアル面談というよりかは、割としっかりとした質疑応答で進んでいく面接という感じだったと思います。ケーススタディみたいなものもありました。

-LiLz社の選考ポジションは、セールスアシスタントですよね。先程のお話では、就きたい仕事はアシスタント業務ではなく、ちゃんと責任あるコアメンバーとして働きたいっていうご要望があるとおっしゃっていたかと思いますが、その辺りは問題なかったのですか?

浅井氏:特になかったです。というのも、今まで新卒からずっといわゆるサービス業の営業コンサルティング業務に従事していたので、今後はモノを扱うプロダクトを持つ会社(メーカー)で経験を積みたいって思っていました。
メーカー経験のない中で即戦力として対応できるとも思えない為、私にとってはプロダクトをもつ会社でセールスアシスタントとしてまず入り、経験を積みたいと思いました。

またLiLz社はセールスをやってみたいのであれば、今後やってみていいよというスタンスの会社だったので、私にとってはとても丁度よかったのです。

-最初のカジュアル面談の割には、しっかりとした選考スタイルのようにお見受けしましたが浅井さん自身はどう感じられました。少し引いてしまったとか・・。

浅井氏:私から応募したのでカジュアル面談でなく選考スタイルだったと思います。その面接で、「セールスアシスタントとはいえ、セールスのことをちゃんとわかる人を採りたいんだ」というお話があり、しっかり「セールスとして君は何をやってきたのか」という点を見てくれたので、私としては引くとは逆で、ちゃんと自分が十数年やってきたことを評価をしてくれる会社なんだなと好印象でした。

アシスタントだけどやってみたいと思ったのは、そういうところかもしれないですね。ただ書類を作ってくれとかそういうことではない、何を期待しているかっていうのがよくわかった気がします。

-最初に感じたスタートアップに対するイメージ(忙しいのではないか、成果主義でガツガツした人の集まりじゃないか)についてはいかがでしたか?

浅井氏:働き方っていうことに関しては一貫して皆さんすごくホワイトだよっていう話で、実際に働き方を聞いても、昼にジムに行ってるなどの話をされていたので、印象は変わりました。
ただ逆に、今までいろんな会社を見る中でそのような会社を見たことがなかったので、どうやってこの会社はそれが成り立ってるのかなという疑問はありました。

それこそスタートアップで売り上げも伸びていて、20%ルール(※)として、自分の業務以外の時間を持つというお話は、自分にとってはとてもポジティブなことばかりで嬉しい半面、なぜそれが実現できるのかということは最後まで謎でした(笑)
そんな会社本当にあるのかなと思っていました(笑)

※20%ルール
LiLz社では、創業間もない頃から20%ルールを適用。業務の中の20%は直接業務に関係ないが将来的な会社の成長につながる活動を許可するというもの。

-LiLzさんに行きたい思われたのは大体どのくらいのタイミングでしたか?

浅井氏:カジュアル面談終了後すぐに行きたい!と思いました。
事業が面白そうと思ったのがやはりすごく大きかったです。また、その後、面接が進めば進むほど、人も良い人たちだし、優秀でレベルの高い人たちばかりだったので入りたいなって思いました。
事業面白そうだしきっと伸びていくだろうから私も入れてほしいって感じです(笑)

-処遇面(年収面)はおそらくダウンされたのではないかと思いますが、そのあたりはいかがですか?

浅井氏:年収は下がりましたが、あまりそこは重要視していませんでした。私としては、家族との時間、働き方を改善したいと思ってたので、そこが改善できるかどうかということが一番重要でした。合わせて、今後のキャリアの広がりにも可能性を感じたので、年収はあまり気になりませんでした。
転職することでスタートアップでの経験も積めるし、いわゆるプロダクトを持った会社で、まずはアシスタントですけどセールスも勉強できること、自分としてはそちらのメリットの方が大きかったかなという感じですね。

スタートアップに転職を決めて準備したこととは?

-17年間大手に勤めておられて、実際にスタートアップへ転職する際に不安なことはありませんでしたか?

浅井氏:迷いもなく決めてしまったという感じなんですが(笑)、よくその質問は周りからもよく聞かれるのですが、そんなになく、あるとすると自分がその期待に応えられるかどうか、成果を出せるかどうかという点です。

-そこは入社されてイメージがついてきた感じですか?

浅井氏:そうですね。どこまで期待に応えられているかはちょっと不安なところはありますが、でも入社前からのギャップは基本ないですし、イメージした通りだったという感じです。

-入社するまでに何か準備されたことはありましたか?

浅井氏:アマテラスの社長の藤岡さんの書いた転職副業術の本はLiLZ大西に最終面接で教えてもらい直ぐ読みました。

「一度きりの人生、今の会社で一生働いて終わるのかな?」と迷う人のスタートアップ「転職×副業」術―人生を劇的に好転させる!生涯年収を最大化する!最高の教科書

-その本の中で何か参考になること、浅井さんの中で気づきはありましたか?

浅井氏:多分最終面接に挑んでいる時点ではまだ、あまりスタートアップで働くということがイメージできてなかったと思います。どちらかというと、何が与えられるのかとか、環境がどうとか何かそういう方にフォーカスしていた気がします。
本を読んで、いわゆる今後は所属する会社の安定性ということではなく、いかに自分をプロデュースするかということが書いてあり、環境や会社の安定性ではなく、私が放り投げられれても、ちゃんとどこでも生きていくためには今後どうしたらいいかというようなことをしっかり考えた気がしましたね。

-ありがとうございます。属するのではなくて自分でプロデュースしてどういうキャリアを築いていくか、自分自身で切り開いていかなくてはいけないと、まさにいつも藤岡が言っていることなので非常に喜ぶと思います。

現在のLiLz様での職務内容及びそこで働く魅力とは

-実際にLiLz社で今どのような業務に携わってらっしゃいますか?

浅井氏:メイン業務はインサイドセールスなので、Webから問い合わせ及び資料請求して頂いたお客様に対し、いかにセールスへ繋げていくかという最初のクライアントアプローチの部分を担当しています。

問い合わせいただいたお客様に対し、電話をかけて、お客様のニーズとLiLz製品の特徴を照らし合わせ、セールスにつなげるという業務になります。ニーズとLiLZ製品の親和性を精査することがミッションの一つです。
また、セールス担当2名のアシスタント業務。メール送付や飛行機・ホテルの手配等、資料入力業務そういった事務業務もあります。

-実際に働いてみて魅力や面白さはどんなところにお感じになりますか。

浅井氏:そうですね、魅力としては、先日も株主定例会に出席させてもらい、株主の方がセールスの数字を見てどう思うか等そういう意見を実際に聞いてみると、セールスに従事している立場としての責任感というのをダイレクトに感じます。もっと次はこうしてみようかなとか、どうすればアポが取れるかなという意識が自然に働きます。そういったことがダイレクトに感じられるところはスタートアップの醍醐味だなと思った気がしますね。

-働き方について教えてください。

浅井氏:私は時短正社員で、皆さんが40時間のところを30時間、1日なので6時間の内容なので、大体9時-4時で働いています。
基本自分のペースで出来るし、もちろんいろんな依頼事はあるものの、基本は在宅で1人なので集中できています。

大企業だと組織として管理しなきゃいけないことも多数ありましたが、今はそういった管理業務がないので、自分のやるべきことに集中できるという点にも魅力を感じています。

ある意味やり方は自由なため、もちろん自分で調べなきゃいけないことは多数ありますが、管理されて仕事するっていう感覚は一切ないので、すごくそういう意味ではストレスがなく、とても満足しています。

-フルリモート勤務ですが、その辺りはいかがですか?

浅井氏:今のところ全く問題ないですね。分からないところは、適宜Slack等で聞いています。私はよくZoomPhoneを使うのですが、ZoomPhoneだと全部ログが残るので、お客さんに技術的なことを聞かれても、後から聞けるので理解を深めるのに助かっています。理解の追いつかない部分は後でメンバーに聞き、的確な答えが返ってきたりして、管理するための手段としてのログではなく、すごく建設的に業務を進めるための手段という認識です。

営業メンバーとの懇親会 右:浅井貴子さん

-最後の質問ですが、入社前はホワイト企業で売上延びているのは不思議だと感じていたとおっしゃっておりましたが、入社してみてそのあたりはいかがですか?

浅井氏:そうですね。LiLzの採用ページのnoteとかにも書いたのですが、トップの大西に面接で「メンバーによく言うセリフは?」と聞いた事があり、大西の答えは「今じゃない」でした。スタートアップ企業であれば、非常に早いスピードでの成長が必要であり、やるべきことはそこら中にある。ただそれらを正しく優先順位をつけて(数ヶ月、数週間の違いであっても)行う必要があるという意味でした。

大西のマネージメントの仕方に、今まで様々ことを経験していたからこそ判断できるものがあるような気がしており、この瞬間にやるべきことっていうのをよくわかってるのかなっていう気がします。
やることが沢山ある中で何でもかんでも勢いでやるっていう考え方ではない、そのあたりが会社のカルチャーになっている感じがしています。

また、社員も倫理観高く自立した人多いので、変なルールもなく、余計な動きをしないで働けるという感じです。本当に大切なことに取り組めるから効率も良くて気持ちよく働けてるのかなと思います。

-本日は貴重なお話ありがとうございました。

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