INTERVIEW

インタビュー

ファインディ株式会社 高橋祐子さん「新しいことや変化をチャレンジとして受け止め、それを楽しいと思えたら大丈夫!」

はじめに

エンジニアと企業をマッチングする転職サービスを展開するファインディ株式会社で活躍する高橋祐子さんにお話を伺いました。

法律事務所やベンチャー企業のバックオフィスでキャリアを積まれた高橋様は、育児や家族の介護などライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を模索し、今回の転職活動でママテラスに登録。企業と直接やり取りを行うダイレクトリクルーティングにてご入社に至りました。

入社から1年程経ち、成長スタートアップ企業で働く中で感じていらっしゃること、スタートアップで求められるマインドセットや時短転職を検討される方へのアドバイスなどを伺いました。

【髙橋祐子さん 略歴】
お茶の水女子大学大学院修了後、法律事務所やベンチャー企業のバックオフィスにて、営業管理や法務、総務・庶務、労務、採用など多岐にわたる職務を経験する。
2019年9月ファインディ株式会社に入社(就業形態:正社員)。

【ファインディ株式会社 概要】
ミッション:「テクノロジードリブンな事業成長を増やす」その結果として「技術立国日本を取り戻す」こと
事業分野:HRtech・Edtech(教育)
設立:2016年7月1日
従業員数:約45名
企業URL:https://findy.co.jp/

これまでに法律事務所やベンチャー企業のバックオフィスとしてキャリアを積んだ高橋さん。
4年間在籍した前職のPR会社では営業管理や法務、労務、採用などの経験を深め、キャリアアップしていきました。
しかし、前職在任中に夫の海外赴任やご両親の介護を経験する中で、自分らしい今後のキャリアについて改めて考えるようになりました。

目の前のボールを打ち返していたらたどり着いたHR業務

―前職ではどのような業務に携わっていらしたのでしょうか。

PR会社の管理部門に配属され、営業事務全般を扱う営業管理からスタートし、法務、労務、採用などに携わりました。その他に、役員の秘書業務や、新規商談の窓口もしていました。

そんな折に夫の海外勤務帯同が決まり、ダメもとで会社に相談したところ期間限定の許可を得て、半年程夫の赴任先であるアメリカに滞在しました。その間は、日本にいるメンバーのオンラインでのマネジメント等、最低限の業務を継続していました

半年後に日本に戻ってから採用業務も担当するようになりました。もともと代表が1人で採用業務を行っていたのですが、新卒採用を自社で全て行うことになり、私が全面的に担当することになったのです。
目の前に来たボールを打ち返していたらHRという領域にたどり着いたのですが、実際にやってみるとHRに面白さを感じました。このことがファインディ社に関心を持つきっかけにもなりました。

―充実した働き方をされていたようですが、なぜ、転職を考えたのでしょうか。

義母と実父の介護が重なり、ライフスタイルが大きく変化したことがきっかけです。
夫と分担して介護をしていたのですが、私が担当していた仕事に突然穴をあけてしまうと会社に迷惑がかかると考え、会社に事情を伝えて一旦退職という形をとりました。

ただし、「きちんと段取りを組み、後任が決まってから辞めよう」と決めていたので、そこから3ヶ月間業務委託で仕事を続け、後任の方に業務を引き継ぎました。

介護もひと段落、自分らしく働くためママテラスに登録

―ママテラスをご利用頂いた経緯について教えて下さい。

介護がひと段落し、いくつかの転職媒体に登録しました。
しかし、年齢層的に合わなかったり、エージェントから「あなたは専門性に欠ける」と言われたりすることもありました。「自分はどこにも属するところがないな」と思っていた時にFacebook広告でママテラスを見かけ、「私、ターゲットかも」と直ぐに登録しました。

転職活動の中で自らのキャリアの方向性に迷い始めていましたが、そんな時にママテラス事務局の方と面談し、「これまでの多岐にわたる経験はスタートアップのバックオフィスで活きる」と聞いて希望がわきました。「今のままで無理しなくていい」と言ってくださったように感じて、ホッと安心したのを覚えています。

人と向き合うHRテックに魅了され入社を決意

―ママテラスに登録されて間もなくファインディ社に応募されましたが、なぜ応募を決めたのですか?

ファインディ社に応募したのは、前職でHRに興味を持ったことや、アメリカで過ごした半年間の影響があると思います。サンフランシスコやシリコンバレーに近いベイエリアに住んでいましたが、生活の中にアプリやいろんなテクノロジーを使う便利さを肌で感じました。

日本に戻ると一転してアナログな世界だったので、その大きなギャップをどうにかできないものかと思っていました。HR×テックという自分の中でトレンドとしてあるものに合致したという感じです。
また、ファインディ社のビジョンにも共感し、応募しました。

―その後、面接に進まれて、実際にファインディ社の方に会った印象等はいかがでしたか?

ファインディ社に応募したところ、社長の山田からすぐに返信が届きました。初回面談も山田だったのですが、そのときに気合いのようなものを感じて、「こんなに本気で向き合う社長だったら面白いかも」と思いました。

一方で、IT企業で働いたことがなかったので「自分にできるのか?」とビクビクしていた面もありました。
しかし、2次面接でCTOの佐藤から「テクノロジーを最終的に使うのは人間。だから、僕たちは人と向き合うし、人とどうやっていくかを一番大切にしています」と言われたときに、「人に向き合う会社なら、イレギュラーなことが起きても頑張れる」と感じました。

―最終面接時はアメリカにいらっしゃったので、オンライン面接でしたね。

2次面接以降は以前から予定していたアメリカ滞在時期と重なってしまったため、オンラインでした。こちらの時差に合わせる柔軟性や、オファー自体の進め方も丁寧で、「ここしかないな」と感じました。

他社の選考を全て辞退し、ファインディへの入社を決めました。8月に応募して、9月に入社していたので、本当にあっという間でした。

ファインディ社オフィス内の様子

未経験業務も自ら手を動かしてスキルとリテラシーを身につける

―入社後の業務について教えてください。

私が入社した当初はバックオフィスを担当する社員がおらず、社長の山田がそのほとんどをハンドリングし、給与計算や労務を担当するパートの方と会計経理を担当する業務委託の方が二名で回している状況でした。
そこに私がバックオフィスという立場で入社し、総務から業務をスタートしました。

総務業務はやったことがあったので今まで培ってきたものを活かすことができましたが、やはりIT企業の総務はアナログな会社とは違い、SaaSの活用など、未経験の難しさがありました。そこはCTOの佐藤がかなりフォローをしてくれたので、とても心強かったです。

その後、給与計算等を行っていたパートの方がご自身の事業に専念するため退職となり、私が給与計算や社会保険の手続きを担当することになりました。前職、前前職では会計事務所にアウトソースしていたので、大枠は分かるのですが、自分で手を動かしたことがありませんでした。

「難しかったら、実務経験ある方に来ていただいていいですよ」と山田からは言われていたのですが、この会社で自分がスキルとリテラシーをつけるとしたら労務だろうと考えていました。なので、遠回りかもしれないけど手を動かしてやってみようと、周りから助けてもらいつつ実務をスタートさせました。

―社員数の増加と共に、労務業務の比重も増えていったのではないでしょうか?

私が入社した当時は、直雇用が15名程度でしたが、その後一気に増えて2020年10月時点で直雇用は40名以上になりました。

社員が増えるとその分労務の仕事も増えますが、分からないことばかりでした。年金事務所の窓口に聞きにいったり、社会労務士の方に聞いたり、ネット検索したり、資料をたくさん見て、一つ一つ覚えていくという状態でした。

アウトソースするにしても、HR企業にいるのでもう少し自分で手を動かして理解する必要があると思っていたので、当初3カ月程は効率が悪い進め方でしたが、徐々に分かるようになってきました。

また、それ以外にも法務回りを担当したり、入社5ヶ月頃までは手当たり次第にいろんなことをしていました。当時は誰も他にボールを拾う人がいない状況で、クオリティは低かったかもしれないですが、何とかすることはできたのかなと思います。

―バックオフィスの正社員1号ということで、ご苦労もあったかと思いますが、いかがでしたか?

社長の山田がもともと経営企画や戦略コンサルを経験している背景があり、管理業務の重要性について理解が高いので、そこは働きやすかったと感じています。管理部門についてどうあるべきかといったビジョンがあり、細部までしっかりできていたので「意外とちゃんとしているな」と驚きました。

私自身はこれまでどちらかというと営業寄りのミドルオフィス的なポジションを経験してきたこともあり、管理部門の業務内容を目の当たりにして、管理部門入門編の入り口に立ったような感覚でした。

会社が成長する中、自身の役割に迷いが生じたことも

入社半年程で実務レベルでは何とか業務を回せるようになりましたが、株主に対する説明責任も出てきたフェーズでしたので、より大きい枠組みで管理部門を考えられるスタッフが必要となってきました。
そこで、当時業務委託で仕事をしていた小林に「一緒に働きましょう」と連日ラブコールを送り、上長として小林が参画しました。振り返ると、これが大きな転換期だったと思います。


これまでは社長に直談判して決めていたことも、きちんとロジックを組んでまずは小林の承認を得る、他部署と連携して進める、といったプロセスが出てきたことに当初は戸惑いがありました。小さな組織での経験が長かった私には目指している風景が見えておらず、また、経験値のなさから不安を強く感じました。

例えば、「内部統制を整備していきます」と言われたとき小林にはあるべき姿がみえているのですが、私は勉強をした知識レベルだったので実際にどう変わっていくのかをイメージできていませんでした。
会社の成長フェーズが変化する中で、今後私自身はどんな立ち位置で何に取り組めば良いのか。何となくわかるのだけど、何となく分かっていないという状態でした。

そして、きちんと目線合わせができていない中でコロナによるリモートワークが始まり、コミュニケーションが減ったこともあって、ちょっとしんどいなという時期がありました。

―その壁をどう乗り越えたのでしょうか?

小林のことは元々すごく信頼していたので、対面でコミュニケーションする時間をもらいました。
ちょうどプライベートでも自分の認知・行動パターンを深掘りしていたこともあり、ストレス反応(ネガティブ/ポジティブ時)や、なぜ小林と一緒に働きたいと思ったのか等、今思うと恥ずかしいくなるくらい開けっぴろげに話しました。

管理部門として目指していく姿や、その中で自分に求められていることは何なのか、具体的に何をしていけばいいのか掴めていなかったので、こうして目線合わせができたことが大きいですね。これからも会社はどんどん変化して行きますが、「解決策は一緒に探して行こう」と信頼関係を更に深められました。

髙橋さん(右)と上司の小林さん(左)

リモートワークだからこそコミュニケーションを大切に

―リモートワークの中でもお互いを気遣っている様子が伝わってきます。コミュニケーションで工夫されていることは何ですか?

現在は出社メインなので、気になったらすぐに話しかけるようにしています。全社的には、地方在住のフルリモートのスタッフもいるので毎週オンラインミーティングでお互いの顔を見ていますし、Slackではテキストコミュニケーションを活発化させていくようあえて話題を投げたりしています。

また、ファインディには「前向き」「誠実」「チームワーク」等のバリューがあり、人に向き合うことを心がけています。
程良い距離感で不必要に介入はしない、だけど相談にきたときはきちんと受け入れて話を聞く、そして、「うまく行ってないな」と感じたら直ぐに向き合って1on1ミーティングをする。よりよくするにはまず自分から変えていく必要があるのだと改めて感じますね。

新型コロナウイルスで変化した働き方

―入社されて1年が経ちました。新型コロナウイルス感染症の影響もあったかと思いますが、どのような働き方をされていますか?

入社当初は出社メインでしたが、新型コロナウイルスの影響もあってリモートワークが始まりました。
私自身は家族の都合もあり、週3・4日の出社とリモートワークを併せて働いています。
私が所属している管理部門では顔を突き合わせて確認作業を行うこともあり、完全リモートが難しい状況ですが、私自身の働き方と合っていると思います。

転職した当初は、通勤時間を懸念するよりも、まずは出社して他のスタッフと向き合ってコミュニケーションをとる方がよいと思います。スタートアップでは「ここが担当業務」と切り出すことが難しい点もあります。ある程度は出社して全体を掴み、その後にリモートを織り交ぜていくのがよいかと思います。

―多忙な中で成果を出すために、また、ライフワークバランスを向上させるために、なさっている工夫はありますか?

私自身「自分できちんとやっていかないといけない」というマインドセットがあるのですが、弊社にも「自ら動いてキャッチアップする」という組織文化があり、効率的にやる工夫をしていても、ついついオーバーワークになりがちです。
とはいえ、年齢を重ねて、身体のケアは自分でしないといけないので、毎週走ることでリズムを作っています。

スタートアップ転職に必要なのは、チャレンジを楽しむマインドセット

―最後に、これからスタートアップ転職をする方へのアドバイスをお願いします。

気負って肩に力を入れる必要はありませんが、「スタートアップで働くのだ」という“マインドセット”は求められるかと思います。

例えば、転職時の企業フェーズにもよりますが、上長が変わることもありますし、役割が変わることもあります。会社の成長、変化という自分でコントロールできないことを、チャレンジとして受け止め、それを楽しいと思えたら大丈夫です。できないことを無理にする必要はなく、自分なりにしっかりやるマインドセットがあれば楽しめると思います。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

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