INTERVIEW

インタビュー

株式会社RevComm 清水理歩さん「変革期こそ、スタートアップは有力な転職の選択肢」

はじめに

株式会社RevComm清水理歩さんにお話を伺いました。急成長するRevComm社を社長秘書兼全社アシスタントとして支える清水さんは、大手生保の営業からキャリアをスタートし、育児等の変化に応じて転職をしながら着実にスキルアップを図っていらっしゃいました。
今回は清水さんのキャリアを辿りつつ、スタートアップで働く面白さ、転職を検討中の皆様へのアドバイスなど貴重なお話を伺うことができました。

株式会社RevComm 清水 理歩 さん

【清水理歩さん 略歴】
日本大学理工学部建築学科卒業。大学卒業後、大手生命保険会社にて個人・法人営業を6年間経験、その間に育休を取得するが、ライフワークバランス向上のため転職し、大手サービサーにて営業事務に従事。8年間の就業期間中に2人目の育休も取得する。その後、営業事務として投資家向け太陽光発電事業に転職。
2019年7月、ママテラスを利用して株式会社RevCommに業務委託契約にて入社し、社長秘書兼全社アシスタント業務を担当。

【株式会社RevComm 概要】
ミッション:コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る
事業分野:AI × Voice × Cloudのソフトウェア、データベースの開発
設立:2017年7月
従業員数:約70名
企業URL:https://www.revcomm.co.jp/

大手生命保険会社の営業としてキャリアをスタート

‐大学卒業後は生命保険会社に就職されましたが、その経緯やお仕事について教えて下さい。

就職氷河期の最中で、ロストジェネレーションと言われた世代です。大学で理工学部建築学科を専攻していたので卒業後はゼネコンやハウスメーカーというルートが一般的だったのですが、当時は女子に全く門戸が開かれず採用ゼロという状態でした。

建築事務所になると丁稚奉公で10年かけてようやく一人前というような文化があるのですが、私には就職・自活という選択肢しかなかったため、まずは建築にこだわらず色々な会社を受けてみようと考えました。そして、最終的に生保の営業に収まったという感じです。

入社後の配属先は本社直営の営業スペシャリスト養成部門のようなところで、新入社員研修では営業のノウハウだけでなくファイナンスの基礎知識なども叩き込まれました。「必要な方に必要な保険を、納得の上でご契約いただきたい」という自身の考えからAFP資格(補注:日本FP協会が運営するFP資格)も取得しました。これらの知識は現在でも非常に役立っています。

育休復帰後、子育てとの両立に限界を感じて営業事務に転職

当時の営業部では壁に成績表を貼り出していましたが、そのグラフが天井までいったことがあったので、ある程度結果は出せたと思います。

しかし、一人目の出産が転機となりました。
入社5~6年目に長男を授かり、その後復帰しましたが、営業で人と会う時間は平日の夜や土日祝日が多く、母としてこれらの時間を仕事に充てる生活に限界を感じました。ワークライフバランスの問題に直面して自らの優先順位を再確認し、「今は子どもが一番だ」という結論になりました。

そこで、「子育てをしながら働けて、10年後を見据えてキャリアを築いて行ける会社を」という思いのもと、初めてエージェントを使って転職活動しました。

エージェントの方と何度も面談する中で、今まで営業経験を活かして営業をバックアップするポジションがいいのではという話になりました。前職でトップ営業だった女性が事務職出身で、高い契約処理能力から効率のよい活動をされていたことから、事務スキルを磨き、いずれは営業に返り咲きたいというような思いもありましたので、転籍可能な会社というのも条件の一つでした。

‐転職先はどのような業界だったのでしょうか。また、外回り営業と営業事務では求められるスキルや環境も大きく変わったかと思いますが、いかがでしたか?

転職先は大手サービサー(債権回収会社)で、法務省管轄の不良債権処理を行う会社でした。
入社時の私はCtrl+Cのショートカットキーさえ知らない状態でしたし、営業という比較的時間が自由になる業種から終日デスクに向かってきっちり仕事する事務への転換は予想以上に大変でした。

配属が競売物件や土地を扱う業務が多い部署だったこともあり、これらの知識を深掘りするため子どもが寝静まった夜間や通勤時間を利用して勉強し、宅建を取得しました。

息子の野球ボランティアをきっかけに「誰かを支える」面白さを知る

‐転職先でもフルタイムでお仕事されていたのでしょうか?

はい、フルタイムでした。その後、第二子が生まれて時短勤務にして仕事を続けていたのですが、2015年に再び転機が訪れました。
長男が小学生になり野球を始めたのですが、練習時のお当番などボランティアで駆り出されることが多く、さらに高学年になると役員などの重責が加わりました。最終的に、保護者代表を引き受けるタイミングで退職をすることにしました。

このボランティアには色々と大変な部分はあるのですが、一方でやっていくうちに「あれ?ちょっと楽しいかも」と思うようになりました。

会社の業務はある程度慣れるとワークフロー通りに対応すれば処理できますが、子どもの団体では決まりがないところも多々あり、関わる人の裁量次第で盛り上がる一年にもその逆にもなってしまいます。「せっかく自分が関わるなら仲良く良いチームにしたい」とあれこれ考えることが楽しく、「誰かを応援し、支えたときに自分の力が発揮できる」という自らの特性に気づきました。

RevComm社オフィスでのインタビューの様子

10人規模の会社は定時出社不要。子育てとの両立が可能に

とはいえ、結局仕事を辞めていたのは2ヵ月だけでした。
辞めようと思っていた矢先にある会社にお声掛け頂き、状況を説明して「フルタイムは難しい」と申し上げたのですが、「好きな時、できる時に来てくれれば良いから」と。今までルールに縛られて来たので、このご提案にはちょっと驚きました。

ここは再生可能エネルギーの太陽光の設備投資をしている10人規模の会社だったのですが、私は主に投資家向けの太陽光発電事業の営業事務として入社しました。営業事務といっても、誰が何をするというボーダーもはっきりしておらず、太陽光発電の開発企画や管理、販売等何でもやらせてもらいました。

会社の規模も働き方もこれまでから大きく変わったのですが、定時出社が不要という働き方を経験し、子育て中の母親にとって大変有意義だと実感しました。仕事を持つ母親にとって子どもの学校行事に行けないことには罪悪感がありますが、この働き方では学校行事も参加可能です。目標と現状のバランスを取りながら仕事が進められました。

‐このときは業務委託契約だったそうですが、業務時間はどのくらいだったのでしょうか。

当初は週2~3日というお話でしたが、徐々に週5日勤務になりました。ただ、家庭の方が忙しいときは4時間程度で切り上げる等、自分が関われる時間量と会社の仕事量を見ながら自分で適宜調整をしていました。

「もう少しステップアップしたい」とママテラスで転職活動を開始

‐こちらで4年程勤務した後に再度転職をお考えになりましたが、何かきっかけがあったのですか。

大変働きやすい会社だったので積極的に転職を考えていたわけではなかったのですが、Facebookでママテラスなどの『時短正社員』というキーワードのエージェントが目に付くようになり、「まずは1社見てみよう」という気持ちでママテラスに登録したのが直接のきっかけです。
下の娘が4年生になり、「もう少しステップアップしたい」という思いが頭の片隅にあり、タイミングが合ったのだと思います。

ママテラスに登録し、履歴書や経歴書を添付した後にママテラス事務局と面談し、そこから現職の内定獲得まで1ヵ月程でした。

会社の勢いと社長のリーダーシップでRevComm社への転職を決意

‐清水様からは「色々な企業を見て、比較の上決めたい」と伺っていたのですが、1社目ですぐに内定が出たのですよね。そこで決めずにもう1社見たいとお考えになり、2社目に会ったRevComm社へのご入社を決めたのはどういったお気持ちからでしたか?

ママテラスサイトの掲載求人には全て目を通したのですが、文面だけでは掴めない雰囲気を知るためにも「まずは行動しよう」と考えて、カジュアル面談をセッティング頂きました。

そして、面談した企業から内定を頂いたのですが、1社目では比較対象がなくて決めきれなかったのでもう1社程見たいと考え、『B Dash Camp 2019 Spring in Sapporo』で優勝した勢いのある企業としてRevCommをご紹介いただき、興味を抱いたのです。

当時のRevComm社はまだ規模も小さく、代表の會田と面談しました。先にも申しましたが、私には「誰かを応援したい、その組織の役に立ちたい」という軸があり、それを持って臨みました。当日の會田との面談では開始10分足らずでRevCommの魅力が伝わってきて、「一緒に働きたい。この会社にしよう」と強く思いました。

会話を数回キャッチボールしただけで「内定!」となり、その後に執務室を見学させていただいたのですが、オフィスにいた社員の方の雰囲気の良さと、フランクなやり取りに風通しの良さを感じ、そこで働く自分を想像できたことが決定打となり、入社を決めました。

‐実際に入ってみて、入社前に抱かれたRevComm社や會田社長のイメージに変わりはありませんか?
思っていた以上に勢いがありました。『B Dash Camp』以降も多くの賞を受賞しており、「出せば通る」というのを目の当たりにし、驚きを禁じ得ませんでした。組織の拡大も著しく、入社当時10名程だった社員は現在70名弱まで増えました。10分足らずの面談で内定を出した會田の決断力も想像通りです。

社長秘書兼全社アシスタントとして幅広い業務を担当

‐現在はどういった業務に携わっていらっしゃるのですか。

社長秘書兼全社アシスタント業務です。人事・営業・テック全てのサポート業務で、具体的には、人事では主に採用関連で、オファーなどの事務作業をしています。営業ではMiiTel販売後の事務処理などを行っています。

社員は増えていますが、最前線で戦える人たちを最優先で採用しており、アシスタントはまだ3名です。ですので、私がどこにでも入るという形で対応しています。前職でも横断的なアシスタント業務はやっていましたが、RevCommでは格段スピードが求められます。

RevComm社メンバー。前列中央が會田代表取締役

魅力は成長力とスキルフルな社員、最新ビジネスの経営を肌で感じること

‐RevComm社の魅力や面白さはどんなところにあるとお感じになりますか?

魅力については、創業からまだ日が浅いのに結果がどんどん出ていること、社員個々のスキルが非常に高く魅力的な人が多いことです。また、「残業は偉い」などという凝り固まった既成概念に囚われることなく仕事ができることも素晴らしいです。

業務の面白さはたくさんありますが、業務範囲が広いため、ボーダーなく様々な部署に関わり、頑張っている方を応援できることで私自身もスキルを発揮できている実感があることや、大企業ではうかがい知れない経営判断の場に居合わせ、最新領域のビジネスを肌で感じられることには充実感を感じています。

フルリモート・フルフレックスで時間的自由度が高い働き方

‐入社当初は週2~3日勤務で、その翌月から週5日勤務をされています。勤務時間やおおよその1週間のスケジュールなどを教えていただけますか?

入社当初は前職で仕事をしつつRevCommに週2~3日勤務するカタチでしたが、翌月からフルジョインで勤務をスタートしました。弊社の勤務時間は1日8時間ですが、フルリモート&フルフレックスなので時間的拘束は皆無です。

コロナ以前はオフィスで働く人も多かったのですが、現在は大半がフルリモートで、事務方の私も週の半分程度をリモートワークにしています。子供の習い事の関係で週2日は早上がりしていますが、短縮した分は夜間や他の日で補って調整しています。土日祝日は完全にお休みです。ワークライフバランス向上のため、業務中はスピード重視で考えるより手を動かすことを心がけています。

スタートアップではルールに囚われずに働く姿勢が求められる

‐スタートアップへの転職で、戸惑いやご苦労されたことはありますか?それらをどう工夫して解決されたかも、併せてお聞かせ下さい。

戸惑いを感じたことはたくさんあります。大企業ではしっかりとした社内ルールや規定、ワークフローなどが確立していますが、スタートアップはそういった整備が後回しにされ、何も決まっていないまま日々走っていることも多いので、最初はどう動いて良いか全く分からず戸惑いました。

とは言え、周りを見渡しても他にやる人はいません。「私がやるしかない」と気持ちを切り替えました。組織がコンパクトだからこそスピーディに決められるという利点もありましたので、社長秘書という立場だからこそ検討できることは社長に相談してすぐに決めて行きました。規定等に囚われずに働くことが、スタートアップで求められている姿勢ではないかと感じています。

変革期こそ、スタートアップは有力な転職の選択肢

‐最後になりますが、今後ママテラスでスタートアップへ転職する方に伝えたいことはありますか?

コロナウィルスによる未曾有の大混乱の中、「どうやって働くべきか」という難題に日本全体が直面しています。この変革期において、スタートアップの強みである適応能力の速さは価値が高いですし、可能性は無限大だと感じます。

RevCommは時間的・地理的制約を受けずに働ける会社であるため、コロナ禍においても会社に対する信頼が揺らぐことなく、大変心強かったです。こんな時代だからこそ、スタートアップは有力な転職の選択肢となり得るのではないでしょうか。

また、業務のキャリアだけではなく、ワークライフバランスを常に考え、プライベートや地域活動といった様々な生活軸の両立や実践に悩みながら尽力してきた方こそ、スタートアップのスピード感や業務の効率化推進に対応できる貴重な人材だと思います。

そのような点からも、スタートアップに強みのあるエージェントの果たす役割は大きく、時間的制約の中でも頑張って行きたいと考えている方たちの強い味方です。その中にあってママテラスは個々の事情を親身に汲み取ってくださり、強力にバックアップいただけるスタッフがいるので、一歩踏み込んでみようかという方にも安心できる会社だと思います。

‐これからのRevComm社が益々楽しみです。本日は素敵なお話をどうもありがとうございました。

CEOに訊く 時短勤務スタッフ活用のわけ

清水様を採用した會田代表取締役に時短勤務スタッフ採用のきっかけやメリット等についてお伺いしました。

‐時短勤務スタッフを採用したきっかけを教えて下さい。

起業から1年半程経ち、事業の売上が立ってグロースしていたタイミングで、セールスのバックオフィス業務が必要になってきました。また、僕自身が経営に注力・集中するために各種調整をしてくれるアシスタントも必要になってきました。

バックオフィスやアシスタント人材の採用にあたって要件を検討し、「時短勤務でもフルリモートでも構わない」と考えました。フルタイム正社員である合理的な理由がなかったので、「すごく優秀だが、時短勤務を希望している為、採用が限られる」といった方がいる、このブルーオーシャンマーケットで採用した方が合理的だと考え、採用に至りました。

株式会社RevComm代表取締役 會田 武史氏

‐清水様を含めて2名の時短勤務スタッフをママテラス経由で採用されましたが、どんなメリットを感じていますか?

まず、圧倒的に優秀な人材が採用できます。
その「優秀さ」の背景には、子供を持つ方ならではの「未来の日本をいかにつくるか」、「いかに自らが社会に貢献するのか」といった使命感のような意識が強くあるように感じます。やる気があるので、どんどん仕事を任せることが出来ます。

先日は清水さんが担当業務外にも関わらず営業をしてくれて驚きました。「不動産会社の社長に『MiiTel』のことを話したら、是非導入したいと言うので、営業つないでいいですか」と。

また、他の女性社員の子育て等の相談に乗ってくれて、社内の雰囲気が良くなるといったこともあります。弊社には5名程育児中の女性社員がいますが、「実際にママが活躍しています」と伝えることで入社しやすくなっていることもあると思います。

‐時短勤務スタッフの活用にあたり、心がけていることや工夫されていることはありますか?

「とにかくリスペクトする」ことです。
送り迎え等で絶対に帰らなくてはならない時間があるので、それに合わせて「誰が何をいつまでにやるのか」といったことを設計し、業務をアサインしなければならない。
また、「自宅での隙間時間にちょっと業務を進めたい」といった要望を適えられるようリモートワークできるような業務や体制を整えることはとても重要だと考えています。

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