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INTERVIEW
インタビュー
株式会社ニューロスペース 鈴鹿利子さん「”その先のビジョン”までイメージすることが時短転職成功の鍵」
はじめに
2020年2月に株式会社ニューロスペースに入社された鈴鹿利子さんにお話を伺いました。
経理・バックオフィスを中心にキャリアアップを図ってこられた鈴鹿様は、今回の転職活動でママテラスサイトで企業と直接やり取りを行うダイレクトリクルーティングにてご入社に至りました。
初めてのスタートアップ転職から半年程たった現在感じていらっしゃること、そして、時短転職を検討される皆さんへのアドバイスなどを伺いました。
ニューロスペース 鈴鹿利子さん
【鈴鹿利子さん 略歴】
短期大学の経営学部卒業後、経理としてキャリアをスタート。その後、上場企業等で経理や総務、営業事務全般に携わることでスキルの幅を広げる。
2020年2月より株式会社ニューロスペースに入社(就業形態:時短正社員)。
【株式会社ニューロスペース 概要】
ミッション:最新の睡眠研究の知見と独自のSleepTech(スリープテック)により、眠りに問題を感じる人をゼロにするだけでなく、眠りによって一人ひとりの潜在能力を最大限に引き出せる社会の実現
事業分野:睡眠不足が常態化する現代社会の課題解決に取り組む、Sleep Tech事業
設立 2013年12月
従業員数:21人
企業URL https://www.neurospace.jp/
学生時代に簿記等の資格を取得し、卒業後は経理・バックオフィスとしてキャリアをスタートした鈴鹿さん。システム開発・運用保守会社の管理部門等で経理経験を深め、また、総務や営業事務にも幅を拡げながらキャリアアップしてきました。
そして、前職在任中、仕事と子育てに追われる日々の中で自らの今後のキャリアについて改めて考えるようになりました。
経理として順調にキャリアを重ねるも、子供の入学で時短での転職を決意
―前職ではどのような業務に携わっていらしたのでしょうか。
社員20名程の会社だったこともあり、経理も総務も営業事務も1人で担当しました。そういう意味では大変な職場でしたが、自分なりに業務の効率化等に取組みながら回していました。
経理というのは、決まり事の処理をするのは当たり前で、経営の意思決定をするための数字を出すことがその醍醐味だと思っています。
例えば、システム会社では受注案件毎に収支を出していたのですが、その精度を高める取組みを行い、「バグ発生し、残業が出たから収支が悪かった」とか「〇〇さんが案件管理して利益が出た」といった状況がわかりやすい数字を提供できるようにしました。
正しい判断材料の提供は会社経営にとっても、従業員の方達にとっても良いことだと思います。頑張っている人が評価を受けることは、私としても嬉しかったです。
―前職には10年超在籍してご活躍されていましたが、なぜ転職を考えたのでしょうか?
長男が小学校に入学したことをきっかけに生活のバランスが取れなくなりました。
小さい職場で、多岐にわたる業務を1人で行っていましたが、これは保育園という手厚いサポート体制が整っていたからこそできていたことでした。小学校に入学した途端、親の負担が増え、そんな中でも仕事に穴をあけられないという状況に限界を感じ、転職を決意しました。
“スタートアップ企業との直接やり取り”を求めてママテラスに登録
―それまでフルタイムでお仕事されてきましたが、今回の転職では時短やフレックスなどを前提に検討されていました。今回ママテラスをご利用頂きましたが、その経緯について教えて下さい。
初めは不安もあったので、時短勤務専門の人材紹介会社にお世話になりながら転職活動を開始しました。しかし、ご紹介いただいた企業では全て不採用になってしまい、担当者がころころ替わる中で意思疎通もうまく行かなくなってしまいました。
そして、改めて調べる中でママテラスにたどり着きました。
それまでは「この会社はどうですか」と紹介されて面接をして、という受け身で活動していましたが、ママテラスは自ら直接企業に連絡をするダイレクトリクルーティングが可能でした。「とにかく積極的に動いてみよう」と考え、登録しました。
とはいえ、最初はどんな仕組か今一つ分かっていませんでした。しかし、実際に応募すると企業の方から直接メッセージがきたので、「自分で直接やり取りして転職活動を進められるのだ」と改めて理解しました。
―ママテラスはスタートアップ企業に特化したサービスでもありますが、鈴鹿さんはスタートアップへの転職を希望されていたのですか?
はい、スタートアップへの転職を希望していました。会社と共に成長していきたい、会社の礎に携わりたいという気持ちがありましたので、スタートアップ、IPO、そして、ライフ・ワーク・バランスの3つをテーマに転職活動をしました。
入社の決め手は、バランスがとれた働き方の実践と、キャリアに繋がる仕事
―ママテラスに登録されて間もなくニューロスペース社に応募されました。経理職種と通勤時間から選ばれたそうですが、その後面接に進まれて、実際にニューロスペース社の方に会った印象等はいかがでしたか?
転職活動で「落ちる」ことは付き物だと思いますが、それでも自分のキャリアに価値がないと言われたようで傷付きます。ですので、ニューロスペースとの面接も初めはすごく緊張しました。
しかし、面接でお会いするどの方も自身の考えがしっかりある一方、非常に柔軟で、ざっくばらんにいろいろお話ししてくれました。面接は計3回程でしたが、回数を重ねるごとに「この人たちと一緒に働きたい」という気持ちが強くなりました。
また、「仕事と生活のバランスをとった働き方をしたい」という希望を理解してくれる会社はありますが、それを実践している会社に巡り合う事はまだまだ難しいように思います。
ニューロスペースとの面接で、実際に時短勤務されている方とお話しできたこともあり、「本当に利用できる制度が整っている」というのは私にとって重要なことでした。
―それ他に、意思決定にあたってのご懸念等はありましたか?
ライフ・ワーク・バランスを重視する一方で、「キャリアダウンに繋がるのでは」という懸念があり、IPOを目指して成長する気持ちの強いスタートアップ企業で働きたいと考えました。
その点でも、ニューロスペースは希望に適う企業でした。これまでIPOに関する業務経験はなく、不安もありましたが、「折角転職するなら、やったことがないプロセスを一緒に経験していきたい」と考えました。
インタビュー時の 鈴鹿さん。和やかかつ理路整然とお話して下さいましたが、経理業務への強い思いを感じました。
リモートでのオンボーディングを社内コミュニケーションで乗り越える
―2020年2月に入社されましたが、コロナ禍と重ねり、リモートワーク等でのオンボーディング(入社後に早期戦力化を促すための教育・育成の仕組み)となり、難しいこともあったかと思います。いかがだったでしょうか?
入社から間もない時期にコロナの影響で保育園が休み、学校も休みとなった時には、家族で缶詰め状態の中で仕事をするというストレス一杯の状況でした。
しかし、役員の方達から「万が一できなければ、こちらで引き受けるよ」、「予定通りの稼働が出来なくてもいいよ」などとお声がけいただき、気持ち的に大変楽になりました。
社内にはコロナ以前からリモートで作業をしている方がいらっしゃることもあり、日頃からSlack等でやり取りをする習慣が根付いていたのだと思います。引継ぎなどの場面でも丁寧で細かく文章に残していただけたことであまり不安になることはありませんでした。自分でも調べる等して何とか乗り越えることができました。
―ご入社から半年程経ち、現在のご状況はいかがですか?
バックオフィス業務、特に経理というのはどの会社においても他部署と業務が被ることがないので、今まで1人でやって来た感覚がありました。
しかし、ニューロスペースでは小さなことでもすぐに共有され、色々な方から「すごいですね、ありがとうございます」という言葉を頂きます。
最初は驚きましたが、それが自分の中で大きな原動力になっていると感じます。私からも他の方に対して、進んで「ありがとう」と言うようになりました。
コロナ禍が続く現在も対面で仕事することは難しいですが、リモートでもスムーズに一つとなって会社が回っているのは、日頃のそういったコミュニケーションの積み重ねがニューロスペースにあったからだと強く思います。
時短×フレックス×在宅という柔軟な働き方で、気持ちよく仕事に励む
―勤務時間やリモートワーク等現在の働き方について教えて下さい。
フレックスタイムでの時短勤務として入社しており、現在は基本9時~16時で働いています。1日の所定労働時間を満たしていれば、あとは個人の裁量に任されています。
コロナ禍で保育園の預かり時間が流動的な状況では、10時~17時にしたり、中抜けしての9時~17時にしたりしながら勤務していました。通常時でも子供の習い事や通院等に対応できるので、気持ちが楽です。
気持ち良く「いいよ」と言ってその時間についてカバーしてくれているので、「ちゃんと返そう」と仕事に励む気持ちに繋がります。本当に良いスパイラルだと心から感じています。
―経理のお仕事は、他の業務と比べて在宅での業務が難しいと言われています。在宅で経理業務を行うためには、どういった環境が必要だとお考えですか?
当社ではほぼリモートワークでの対応が可能でした。
その上で欠かせないのが、クラウド上での数字の共有だと思います。管理業務のソフト、例えば会計ソフトや人事系のソフトなどがクラウド上で管理されているかだと思います。
小規模事業者では導入コストが低いツールを導入しがちですが、データ共有が出来ないことが多く、こういう状況では違ったコストを産み、デメリットに繋がると思います。
ニューロスペースサービス画像
「今後どうなりたい」というビジョンを持つことが、時短転職の成功に繋がった
―実現したかった理想の転職と比べて、今はどの程度希望が満たされているとお感じですか?また、それが実現できたポイントというのはどの辺りにあったと思いますか?
天気で言えば快晴ですね。毎日とても充実しています。
私が考える成功する転職のポイントですが、転職の理由や目的が「時短勤務がしたい」だけになると、採用側にすると「一緒に頑張れるか」というところにクエスチョンマークがついてしまうと思うので、付加価値が必要だと思っています。
私自身も転職の一番の目的は時短勤務でしたが、それプラス「自分はこの先どうなりたいか」というビジョンをある程度持って臨みました。
特にスタートアップ企業では時に苦しい時期もあると思いますので、そういった時に強い気持ちでメンバーと一緒に乗り越えていくためにも自分なりのビジョンを持つことは大事だと思います。また、自分なりのビジョンを持っている方が、会社としても「一緒に働きたい」と思えるのではないでしょうか。
子育て中心の生活では自分のことを考える機会が極端に減りますが、転職はそういう意味では自分を見つめなおす良い機会だと思います。
企業の成長と共に新しいチャレンジをし、キャリアアップを目指す
―鈴鹿さんの「この先どうなりたい」というビジョンは、どうやって見つけられたのでしょうか。
「こうなりたい」という具体的なビジョンという程ではありませんが、「これはやりたい」という希望がありました。主には、キャリアダウンはしたくないというのと、今までやったことのないことにチャレンジしたいという2点でした。
新しいチャレンジとしては、具体的にはIPOに携わりたいという希望がありました。経理というのは年間スケジュールも固定されている比較的単純な仕事ですが、一方で数字を通じて会社の成長過程を感じ取りやすい仕事でもあり、この立場から企業の成長に加わりたいと考えました。
―どなたかに相談しながらお考えになったのですか?
主人に相談していました。彼もキャリア志向が強く転職を繰り返してキャリアアップをしてきたタイプで、「この先どうなりたいか」と考えるきっかけも主人でした。
1人では考え方が狭くなってしまうので、こうして他の人から気づかせてもらうのは大事ですね。
部署の概念を取り払い、自ら仕事を拾ってやるのがスタートアップ
―スタートアップ未経験の、例えば上場企業からの転職を検討している方に対して、「ここは大変だよ」「こういうところには気を付けた方がいいよ」というようなことはありますか?
スタートアップには部署という概念がなく、自らが気付いた仕事を拾ってやっていく世界なので、大企業のような組織で「他の部署の仕事に手を出してはいけない」という環境とは真逆になります。専門外の仕事に口を出す、提案するというのは勇気がいることなので、最初はそこが難しく感じるかもしれません。
ただ、今の職場にも1万人超えの大企業から転職したメンバーがいるのですが、彼女たちは視野や経験が広く、情報力や提案力等に大変長けていると感じます。スタートアップに転職されても、その経験等を生かすことで会社の貴重な財産になるのではないかと思います。
コアサービス確立、そして、新たな事業のための財務改正に取組みたい
―今後数年内に実現したいこと等はありますか?
ニューロスペースではコアサービスの確立を目指して、全員で頑張っている最中です。今後主軸サービスがある程度の売り上げとなった時に、次の、新たな事業に取り組めるような財務改正が近い将来に実現できたらいいと考えています。
―これからの展開がますます楽しみですね。本日は素敵なお話をありがとうございました。
COOに訊く 時短勤務スタッフ採用について
鈴鹿様を採用した北畠取締役COOに時短勤務スタッフ採用のきっかけや企業としてのメリット等についてお伺いしました。
―時短勤務スタッフを採用したきっかけを教えて下さい。
20名程の組織になったものの管理部門の専任が1名で、全てをその1名が行っているという状況でした。今後の管理体制や内部統制の強化を検討する中でメンバー強化が必要になったのがきっかけです。
まだ小さい組織でフルタイム2名体制にするほどではありません。しかし、1人で担当するのと、それをチームとして議論しながら進めるのとでは仕事の質も大きく変わってくるので、フルタイムではないけれど、議論が出来る優秀な方が必要だと考えました。
また、小さい組織では「経理だけしかできない」、「労務しかわからない」ということでは会社が回りませんので、ある程度幅広い業務に対応できるプロフェッショナル人材を求めているといった欲張りなニーズがありました。
つまり、経験値がある程度高くて幅広いタスクに対応でき、時短勤務を希望する人材が良さそうだということになり、ママテラスで探すことにしました。その後、弊社の希望にマッチする鈴鹿さんにお会いしたら丁度フィットし、採用に至ったという経緯です。
左からCOO北畠さん、鈴鹿さん、CEO小林さん
―時短勤務スタッフが活躍するために、会社として工夫していること等はありますか?
前提として各スタッフの状況を理解することが大事だと思っています。
例えば、独身のフルタイム勤務のスタッフと、育児等がある時短勤務スタッフでは、取り囲む環境が違うため、使える時間や勤務時間外の状況が明らかに異なります。
Slack等での社内コミュニケーションの際、本当は翌朝に投稿した方がいいのですが、私は思いついた時に投稿しないと忘れてしまうのでついつい業務時間外に投稿してしまうことがあります。そういう時に「確認は明朝でよいのですが、忘れないうちに送っておきます」といった一言を添えることは気を付けています。
そういう一言がないと、帰宅後の時短勤務スタッフが「今日中に対応しないと、次工程を待たせる」と考えて夜間にPCを開くことになり、負担増に繋がります。細かいことですが、各自の状況への理解とリスペクトをした上でのコミュニケーションは大事だと思っています。
―現在社員21名中4名が時短勤務スタッフと伺っていますが、時短勤務スタッフ活用のメリット等について教えて下さい。
私たちが必要とする優秀な人材がたまたま時短希望だったということが重なり、そして時短だからNGということしなかったからこそ、このような多様な人材から成る組織になりました。
当社は『睡眠』という分野で、男女問わずユーザーたり得るサービスを提供しています。サービス提供にあたってエンドユーザーに対する想像力が必要ですが、ワーキングマザーでもある彼女たちがいなければその観点は抜けてしまうかもしれません。そういった意味でも、多様なスタッフが持つ多様な観点を持てることは大きなメリットだと考えています。
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