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INTERVIEW
インタビュー
【時短転職者インタビュー】時短勤務でも、COOできます!
はじめに
今回は弊社にてCOO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)を務める河西あすかのインタビューです。[2020年時点]
マネジャーとして大手コンサルティング会社に勤めていた河西ですが、40歳を目前とした時に転機が訪れます。出産し、育児と仕事の両立の難しさから退社。しかし、約4年に渡ったブランク期間を経て、時短勤務で再び仕事を開始。その後、柔軟な働き方と裁量の大きさを求めて株式会社アマテラスに参画し、時短勤務を希望するキャリア経験者の為の転職サービス「ママテラス」を立ち上げます。
河西が「自らの固定観念から選択肢を狭めていた」と振り返る時短勤務での就職活動や、時短正社員としてスタートアップ企業で働く魅力やコツについてお伝えします。
【略歴】
1994年慶應義塾大学経済学部卒業。2004年慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA取得)。
雪印乳業株式会社(現雪印メグミルク株式会社)で営業、生活者調査、商品企画等に従事。雪印集団食中毒事件を機に退社し、慶應義塾大学ビジネススクールにてMBA取得。その後、企業再生・変革を行うコンサルティング会社のマネジャーとして活躍も2011年に出産後、産休・育休を経て退職。
その後、2016年2月より株式会社アマテラスに参画(就業形態:時短正社員)。
【株式会社アマテラス概要】
ミッション:日本からグーグル・フェイスブックを100社創出する
事業内容:
1. スタートアップにコアメンバーとして参画するための転職サイト『アマテラス』の運営
2.キャリア女性のための時短転職サイト『ママテラス』の運営
設立:2011年4月
社員数:9名(2020年3月時点)
企業URL https://amater.as/
河西は大学卒業後雪印乳業株式会社(現雪印メグミルク株式会社)に入社し、マーケティングを中心にキャリアを積んでいました。しかし、2000年に雪印集団食中毒事件が起き、その後の再建に取り組む中で「力不足を痛感」し、2002年に雪印を退職。慶應義塾大学ビジネススクールへ入学にします。
修了後は、ビジネススクールで身につけた経営の知識を活かして、経営企画やコンサルタントとしての経験を積み重ねていましたが、40歳を目前として転機が訪れました。
コンサルタントとしてキャリアを重ねる
―ビジネススクール修了後は企業の変革・再生実行支援を行うコンサルタントとしてのキャリアを積んだのですね。
河西:はい、経営経験を求めてプラウドフットジャパンという企業再生や変革の実行支援を行うコンサルティング会社に入社しました。
将来は企業の経営層として仕事をしたいという思いを持っており、多くの経営経験が積める場を求めていました。また、雪印での事件と再建を体験したことが自分の中で非常に大きく、再生・変革への思いを強く持っていました。ですので、企業の再生・変革を戦略から実行までサポートすることは、自分の天職のように感じていたのです。
―やりがいのある反面、ハードに聞こえるお仕事ですが、実際入社してみて如何でしたか?
河西:非常に忙しかったです。忙しいことは頭では分かっていましたが、ここまでは…という感じでした。しかし、密度高く経営に関わる経験をしたことで、物凄く力と自信がつきました。
プロジェクトは、例えば、コスト削減であればかなりチャレンジングな数値目標を掲げ、それを半年程の期間で達成させるといったものでした。実行支援ですので、戦略提案だけでなく、目標達成の為の行動がなされ、一定成果が出るまで帯同します。つまり、4-6か月のプロジェクト期間中はクライアント企業に朝から夜まで常駐し、それ以外の時間も近くのビジネスホテルで翌日の準備をするという日々でした。
プロジェクトでは多くの管理職や取締役クラスのコーチングを担当します。それぞれが担当しているチームや事業をどうするべきか、目標設定し、計画し、どの部下に何をやってもらうか等を一緒に考えて実行してもらいます。そうする中で経営面で多くのことが学べましたし、経験することも出来ました。
また、生産性向上のプロジェクトを数多く担当したので、生産性を高くするための働き方のコツのようなものも学びました。それは、今に非常に生きていると思います。
突然訪れたキャリアの転機
―そして5年ほどプラウドフットにお勤めになられた後、転機が訪れました
河西:30代の終わりに体調を崩し、半年程プロジェクトから抜けて本社勤務をしていました。
そして、この間に急遽結婚が決まり、その翌年には出産し、その後産育休で計3年1ヶ月休職しました。育休は最大3年だったため、3年休んだ後、結果的に退職することとなりました。
「他の社員は朝7時から夜10時まで働く文化の会社で、子育てをしながらの復職が果たして可能か?」ということについて会社と何度も話し合いを重ねました。マネジャーとして評価頂いていましたが、クライアントも含めてプロジェクトのためにハードワークをしている中で、「時短でも働ける」方法が当時は見つけられませんでした。
また、当時3歳だった息子が私にべったりで、「これを離すのは難しいな」と感じたことも復職を諦めた理由の一つです。
フルタイム復職前提で、保育園をはじめ、家事サポートやシッターさんを手配することについて当時調べた結果、自分が働いたお金の大部分をサポートサービス等につぎ込めば、フルタイムでの復職は可能であるということは分かりました。
そこまで整理をしたときに、「結局、私が自分で育児をするか、それとも自分は外で働いて、一部育児を他の人に任せるかという選択の問題なのだな」と自分なりに整理し、私は育児を選びました。
「育児がしたかった」と言うより、「育児に自信がないから、もう少し取り組んでおこう」という方が正確かも知れません。仕事は今までの積み重ねがあるので数年ブランクがあっても戻れる気がしましたが、子どもに突然「今日からはママと過ごせないよ」と言うのは難しいと感じました。
「時短勤務×キャリア」という選択肢の発見
―コンサルティング会社の退職から1年後に仕事を再開させました。
河西:はい。夕方5時までの預かりがある幼稚園に息子が入園し、息子が落ち着いた頃から週3日、10-16時勤務でコンサルティング会社のコスト削減プロジェクトの仕事を始めました。前職と近い仕事ですが、変革ではなく業務改善を手がけるコンサルティング会社でしたので、働き方は前職と比べて緩やかでした。
―そのお仕事はどのように見つけられたのですか?
河西:偶然SNSで見つけた人材募集広告に「10時から16時、週3から。コスト削減のお仕事です。」とありました。私は特にコスト削減が得意だったので「私が呼ばれている!」と思い、連絡しました。
―すごい偶然ですね。河西さんの能力を活かしながら時短で仕事をするという選択肢があったということですね。
河西:私はそれまでフルコミットで仕事を回すスタイルだったので、時短勤務で同じような業務が果たして可能なのか、働き始めた当初も半信半疑でした。
しかし、この会社は在宅勤務や電話ミーティングの活用等の工夫を行っており、私も慣れてくると十分成果が出せるようになってきました。週3日の時短勤務という形態のまま、3カ月程でマネジャーになり、プロジェクトも追加受注が取れ、複数のプロジェクトを運営する状況となりました。
以前の私は「時短のマネジャー職なんて存在しないし、無理だから諦めるべきだ」と決めつけていました。
当時時短勤務での仕事を検索しようとすると、「ポストコンサル 転職」では沢山の選択肢が表示されるのに、そこに「時短勤務」を追加すると具体的な案件はヒットしません。当時の時短勤務での求人は「時給1500円の事務所事務」といったものが多く、就活中は「事務は得意ではないけど、事務なら募集があるし…」と流されかけていたこともありました。本当は事務がやりたいわけではないし得意分野でもないのに仕事を離れたことで自信を失い、「時短勤務=キャリアを活かした業務は難しい」という固定観念に捉われていました。
しかし、実際に働いてみて、そのような働き方は十分可能だと実感しました。40代の転職で得た大きな気づきの1つです。
「時短勤務×キャリア」という選択肢を広めるべくアマテラスに参画
順調に育休明けのキャリアを歩み始めた河西でしたが、自身の経験から時短で働きたいキャリア女性の採用を広めるべきだと考えるようになりました。
―アマテラスに入社したきっかけは、「キャリアを活かしつつ時短勤務等で働きたいママの転職支援をしたい」と考えたからだそうですね?
河西:はい。私自身がブランク期間に「どういうカタチで復帰できるのか?」を日々悩んでいましたし、フルタイムとは大幅に勝手が違う時短での転職活動に戸惑いも感じていたので、同じような悩みを抱えている人が必ずいると思いました。まだ広まっていないけど、確実にある「時短勤務×キャリア人材」という働き方を広めるべきだと考えるようになりました。
しかし、私は典型的なナンバー2タイプで、自ら「起業して取り組もう」とまでは思えませんでした。
「時短勤務×キャリア人材という働き方を広めるべき」という思いが日に日に強くなってきた頃、ビジネススクール同期の集まりで(アマテラス代表取締役の)藤岡と会いました。
時短×キャリアは、採用に苦労していて、けれど柔軟で機動性の高い小さな組織、つまり、中小企業やスタートアップ企業と相性が良いのではないかと考えていました。そこで、スタートアップ企業向けの採用支援を行っていた藤岡に「時短勤務×キャリア人材向けのサービスは絶対需要がある。でも、まだあまり世の中にないから、やりなよ」と話したのです。
後日、藤岡に呼ばれ「アマテラスにきて、自分で事業化しない?ただ、その前に現業の黒字化が必須だけど、できる?」と訊かれました。私は「できる?」と聞かれたら、「できない」とは答えられない人で…。結局、コンサルティングの仕事を続けながら週1〜2回ほどアマテラスに参画するようになりました。
「試用期間」を得て理解したスタートアップのリスク
河西:私は元々保守的で、「ベンチャー企業って、何となく怪しいし、不安定そう」というイメージを持っており、就職先としてベンチャー企業を検討したことがありませんでした。
そのため、まずは現職であったコンサルタントとアマテラスでの仕事を兼務することにしました。半年程兼務し、その間は大変でしたが、スタートアップに飛び込む前の「お試し」として重要な時期でした。
そうする中で、「スタートアップに就職しても、今の私にとってのリスクは特にないのだ」ということに気づきました。
スタートアップは新しい事業を立ち上げようとしているので、企業としてのリスクは当然あります。しかし、例え会社が潰れたとしても、私はコンサルタント等の仕事に就くことは出来るだろうし、生涯仕事がなくなるというリスクはありません。
また、収入の優先順位も下げていたので、それほど高額な給与が得られなくても問題ありませんでした。
裁量の大きさ、成果創出の早さ、新しい領域に取組める機会が魅力
河西:そして、勤務の柔軟さ以外の様々なメリットにも気づきました。いろいろありますが、私にとって特に重要だったのは3つの点です。
1つは裁量の大きさです。
コンサルタント卒業後の進路として一般企業の経営企画等を考えたこともありますが、私には難しいと思いました。
そもそも中堅~大企業に時短勤務で中途入社すること自体が狭き門だと思いますが、万一入社できたとしても遣り甲斐がある仕事を任されることはレアケースでしょう。それまで取締役等の経営層と共に企業経営をディスカッションしていたのに、今更スタッフとして遣り甲斐を持って働けるのだろうか?そこで意見が言えるのか?意見は取り入れられるか?
私が積んできた経営での意思決定力や実行力等はそこでは求められない気がしました。
他方、少人数組織であるスタートアップでは勤務形態によって仕事が制限されることはありません。持てるスキルや力を活用して自ら意思決定を行い、手を動かして事業を少しでも早く前に進めることが重要です。裁量を持つことには難しさもありますが、これまでのスキルや経験を活かし、更に伸ばす経験が出来ていると感じます。
2つ目のメリットは、成果創出スピードの速さです。
スタートアップ企業のスピーディーさが時短勤務には難しく感じる方もいるかと思いますが、私はよい点もあると感じています。
30代は大学院やコンサル時代も含めて多くのインプットを得ましたが、40代以降は求められる人材になるための成果創出が大切だと考えています。
しかし、育児等により投入できる時間が限られる私にとって、大・中堅企業の変革や業務改善支援は成果創出までに労力が多くかかり、成果が出しづらいと思いました。「変えたくない」と考える方も多いクライアント企業の後押しをする仕事は、多くの資料作成やミーティング等に時間を要します。育児で就労時間が半分程度となっている中では、成果創出に時間が掛かることは否めません。
他方、スタートアップ企業は組織が小さく、意思決定もシンプルです。社内説明に資料を作っている時間よりも実践することが優先されます。成果が出しやすい環境は、時間が限られている私に向いていると感じました。
そして、3つ目のメリットは新しい領域に取り組める機会が多いことです。
スタートアップ企業の多くは新しい領域のビジネスに取り組んでいます。最先端ビジネスに携わる企業で、そのビジネスを体感することができ、新しい仕事もどんどん経験できます。
私は元々Webマーケティングの経験はなかったのですが、現在業務の中で取り組んでいます。40代になっても新たな経験が積めることは、大きなメリットだと感じます。
意識しているのは「成果創出」と「柔軟な働き方」の死守
―アマテラスに入社後、2017年春にキャリアを活かした時短勤務を希望するママテラスをローンチし、今はCOOとして仕事されています。実際に、アマテラスでの働き方はどのようなものですか?
河西:時短や在宅勤務を活用しながら働いています。融通が利かせられるというところが私にとっての一番大きなメリットで、時間の自由や、子育てを優先したスケジュールを組めることで本当に助かっています。
―柔軟な働き方とキャリアを両立させるにあたり、どんなことを意識していますか?
河西:この働き方を続けるため、2つのことを特に意識しています。
第一は「成果を出すこと」で、この部分には強くこだわっています。
私が採用されているのは、「リーズナブルな報酬で、成果創出できる人材」だからだと考えています。
企業の視点から考えると、特に事業運営に関わるポジションでの時短勤務者の採用は難しいこともあると思います。スタッフ・外部とのやり取り時間が限られることや緊急時対応等リスクから時短勤務者の採用について躊躇する企業も多いかと思います。
それを越えるのは「成果を確実に創出出来る」ことだと思いますし、私自身としてもそういう力を評価されたいと思っているので、そこに重きを置いています。
もう1つ意識していることは、自身が希望する働き方を守ることです。
ビジネススクールで「待遇は入社動機にはならないが、退社動機になる」と聞いたことがあり、それが頭に残っています。自らのことを振り返っても、仕事上で知る多くの方の退職理由からも納得感のある待遇は重要だと考えており、今の私にとって時短や在宅を含んだ勤務形態は大切なものなので、それを死守するよう会社との状況共有や解決策の提案等の工夫をしています。
クライアント対応や繁忙期等で勤務時間外の対応を求められることはありますが、やむを得ない場合以外は他の方に対応をお願いする等しています。また、恒常的に業務が増えている場合は、業務の棚卸を行った上で外部委託する等の対応を取っています。
「時短勤務で採用されたものの、周囲はフルタイムなので帰りづらい」という経験をされている方は多いと思います。会社側に配慮を期待したいところですが、なかなか思うようには気づいて貰えないのが実情です。
会社や周囲に悪気はないので、「自分が帰ると決めた以上、帰る」ことを行い、周囲にも事情を伝えること。そして、もう一つ大切なことはその為の代案を提案することだと考え、意識して取り組んでいます。
「優先順位」、「計画」、「共有」という当たり前のことで生産性が上がる
―具体的には、どういうことを工夫していますか?
どれも当たり前かと思いますが、フルタイム時から大きく変わったこととして3つのことがあります。
1つ目は、成果創出の観点から優先順位をつけて取り組むことです。
限られた時間で最大のアウトプットを出すため、会社全体で今すべきこと、しないことを明確にした上で業務分担するようにしていますし、自らの仕事も行うようにしています。
2つ目は、事前に計画することです。
時間が限られているため、突発のことには対応が難しいです。そのため、他のスタッフのイベントも含めて事前に把握して計画し、早め早めに動くようにしています。計画を先に立てると、自分の抱えている業務量も明確になります。そこでこなしきれない場合には事前に納期相談をする、他の方にお願いする等の対応もできます。
最後は、周囲との共有です。「自分だけが知っている」という状態にしないよう、メールには必ずccを入れるようにし、チャットツールでメンバーと連絡が取れるようにしています。
例えば、家事や子供の用事の最中に急ぎのメールが来た場合、チャットツール等で他メンバーに対応をお願いすることもあります。「時短勤務なので16時以降は関係ありません」というのは、やはり難しいですし、重要な連絡を止めてしまわないようには気をつけています。
どれも特別のことではなく、フルタイム時にも求められていたことですが、その時には必ずしも守れていなかったこともあります。
しかし、今は「時間が限られている」ことで必須事項になったと感じ、率先して行うようになりました。こうした基本を徹底することで生産性の高い働き方が出来るのだと痛感しています。
スタートアップ企業で時短正社員として働く際の給与
―ちなみに、時短正社員としてスタートアップ企業で勤務する際、給与面はどのように考えたら良いでしょうか?
河西:給与面だけで考えると、私はフルタイムでコンサルタントをやっていた頃の半分程です。
入社当初はお互いにどこまで成果が出せるのか手探りだったため低めに設定し、前職の3分の1程度の給与でした。ただ私は、「成果が出せれば、その分給与は上がるだろう」と思っていたので、あまり気にはしませんでした。実際、成果が出るに従い、給与は上げて頂きました。
私が重視していることは、時間あたりの単価を極力下げないようにするということです。仕事にかけられる時間は限られているので、給与が下がること自体はやむを得ないと思っています。月200時間超勤務だった前職時代と時短勤務の現職給与を比較するのはあまり意味がありませんが、時給換算すると今の給与は適正だと考えています。
キャリアと志向が受け容れられる場で、存分の活躍を!
―最後に、時短勤務×キャリアの両立を目指して転職活動を行っている方にアドバイスはありますか?
私は家庭との両立が求められるようになるまで、「時短勤務でキャリアを突き詰めるのは無理」、「スタートアップって怪しい」といった固定観念で、自らの選択肢を狭めていました。そのことが自分自身を苦しめていましたが、その思い込みの壁をなくしてみたら、満足度の高い働き方が実現できました。
「自分にとって何が大切か」ということを明確にした上で、固定概念に捉われることなく、自らにとってベストな選択をすることが転職活動において大切だと思います。
特に、キャリアを充分に積んだ方について、その力と、志向が受け容れられる場所に進んで欲しいと考えています。スタートアップはその選択肢の一つになり得ます。しかも、持っているスキルや経験がそのスタートアップ企業を、ひいては日本を大きく変える可能性があると思うのです。日本のスタートアップ業界はまだまだ男性社会で、価値観の多様性を進めるべきという危機感があります。
キャリアを積んだ優秀な女性がスタートアップに参画し、存分に力を発揮することを願っています。ママテラスがその一助となるよう努めていきたいと思います。
CEOに訊く 時短勤務活用のわけ
‐時短勤務スタッフを採用したきっかけについて教えて下さい。
河西とはビジネスクールの同級生です。そして、卒業から10年程経った同窓会で、ママになっていた河西と時短勤務でのキャリア構築について話をしました。その時、直感的に「スタートアップと時短ママ、このニ者のマッチングは有りだ!」と思ったのです。
“スタートアップは優秀な人材を求めているが待遇面などもありなかなか来てもらえない。”
“優秀でキャリア志向だが、育児期の女性は裁量のある職場環境がなかなか見つけられない。”
実力主義で裁量ある環境で働けるスタートアップなら、優秀な時短ママなら雇いたいと思うはず。
そして、当事者として「時短ママのキャリアを何とかしたい」と考える河西がこの課題に取り組む機会をアマテラスは提供できる。いろんなことが繋がりました。
その頃、当社社員は私一人で、事業を大きくするためにコアメンバーの採用を始めようと思っていたところでした。初期メンバーの採用は慎重になりますが、河西はビジネススクール時代にその優秀さや人柄も良く知っており、信頼して裁量ある仕事を任せられました。週2日の業務委託からというスタートも、私にとっては都合の良いお見合い期間でした。
フルタイム社員であれば、最初からそれなりの待遇が必要になります。しかし、当時のアマテラス事業はまだ不安定で、「最初からフルタイムの社員を抱えるのは怖い」という気持ちもありました。
河西の参画後、アマテラスは事業化が進み、時短女性×スタートアップキャリアの『ママテラス』のローンチも達成。河西は時短正社員となり、COOとなりました。その後、当社は多くの時短ママを採用しています。
‐時短勤務スタッフを採用して、どんなメリットを感じますか?
最も感じるのは“プロフェッショナリズム”を会社にもたらしてくれることです。私がこれまで見てきたフルタイム社員とはタイムマネジメントへの意識の高さが格段に違います。
時短社員には子供のお迎え等後回しに出来ない重要イベントが日々あり、限られた時間で成果を出すために、高い集中力、スピードを意識した働き方、無駄を省く、という自らを律したプロフェッショナルな働き方は組織に良い緊張感をもたらしてくれています。
具体的には、
・周囲を巻き込む。自分ひとりでは出来ないことは、外部サービスも含めて周囲を活用する。
・報告・連絡・相談を徹底して最短距離を走る。連携ミスを減らす。
というワークスタイルは流石!といつも思わされます。
短時間で成果を出す働き方を見せつけられた他のメンバーも生産性が変わってきますし、会社全体にプロフェッショナリズムの文化が浸透しているのは彼女達のおかげだと思っています。
‐時短勤務スタッフの活用にあたり、心がけていることや工夫されていることはありますか?
以下のことに心がけています。
・プロ人材の採用
時短勤務スタッフで事業を回していく前提として、前職でしっかりとした実務経験・スキルがあり、自律的に動けるプロフェッショナルマインドを持った人材を採用することです。
・週一の全体ミーティング
リモート勤務が増える中、会社全体の状況やトップメッセージを伝え、各自の状況を共有し、会社との一体感を感じる機会にしています。また、会議以外でも出社時はできる限りみんなでランチに出掛けるようにしています。
・アクセシビリティの良さ。
私に相談しようと思った時に、声をかけやすい、相談しやすい状況を作ることを心掛けています。相談ができないことで仕事が停滞することがないようにしています。
・コミュニケーションツールの活用
Slackやオンラインミーティングツールを最大限活用することでコミュニケーションをスピーディーかつ効率的に取るようにしています。
・定期的な1on1
時短スタッフに限らず、働く上での不安やキャリア上のアドバイスなどについてじっくり話をする機会は重要です。アマテラスでは3ヶ月に一度全社員と1on1を設定しています。
これらの工夫で、時短勤務者に限らず、いろんな状況に対応できる働きやすい会社になっている実感があります。
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